選挙で活用されるのぼり
選挙の事前運動として、候補者が街頭演説をしたり街角で行き交う車に向かって手を振ったりしている光景に出くわすことがありますよね。
その時、「本人」と書いてあるのぼり旗を立てたりたすきを掛けていることがあります。違和感もあるし、なぜ候補者の氏名を記載しないのかと思ったことはありませんか。
たくさんのスタッフや支援者に紛れて、一見してどの人が当の「本人」なのか識別できないためか…。
公職選挙法による規制とは?
●候補者の氏名が記載されたのぼり旗は選挙の公示日以降にしか使用できない
実は、公職選挙法では、候補者(公職の候補者または公職の候補者となろうとする者、公職にある者を含む)の氏名が記載されたのぼり旗やたすきは、 選挙の公示日以降にしか使用できない、と定められているのです。
ちなみに公示日は、衆議院選挙では投票日の12日前、参議院議員選挙では17日前となっています。
現在の公職選挙法では、候補者の氏名だけでなく、政党・政治団体名が記載されたもの、 候補者や政党・政治団体の似顔絵が記載されたもの、候補者や政党・政治団体のスローガンやキャッチコピーが記載されたもの、 また、候補者や政党・政治団体のイメージキャラクターが記載されたものも選挙違反となります。
実際は、地域によって取り締まりにも格差があるようですので、 実際は選挙事務所周辺や街頭演説、個人演説会の会場付近に、
候補者氏名や政党・政治団体の名称が入ったのぼり旗が立ち並んでいるのを目にする機会が多い地域もあるようです。
掲示が認められている例
●現在の公職選挙法では、文書図画の掲示について5種類に限り認められています。
ただし、このようなのぼり旗でも、選挙カーに設置した場合は「選挙カーの看板」とみなされるため、 選挙違反にはならないんだそうです。公職選挙法ってちょっと面白いですよね。
現在の公職選挙法では、文書図画の掲示について以下5種類に限り認められています。
1 選挙事務所表示用の看板
2 選挙カーの看板
3 候補者の胸章・腕章・たすき類
4 演説会用看板
5 候補者ポスター(公営掲示板ポスター)
街頭演説の時などにぱっと目を引くことができ、候補者の氏名や政党名が大きく入り、 またイメージカラーをふんだんに使ったのぼり旗は、今や選挙活動でも欠かすことのできないアイテムとなっています。
しかし、違反とならないように上手に使用することが重要なんですね。
改正案では、のぼり旗の使用を解禁することになりそうですが、無制限に解禁というわけではなく、のぼり旗のサイズや本数を制限した上での解禁となるようです。
改正案が可決されれば、のぼり旗は候補者にとって選挙活動を行うにあたって、今以上になくてはならない存在になりそうです。
まとめ
〇候補者の氏名が記載されたのぼり旗は選挙の公示日以降にしか使用できない。
〇公示日は、衆議院選挙では投票日の12日前、参議院議員選挙では17日前
〇違反とならないように上手に使用することが重要